読書

ショートソング

枡野浩一初の長編小説を読む。%---% 「だめよ、そんな服じゃ」 ……「ごめん」も「待った?」もなく、いきなり舞子先輩は言った。小雨の降る寒い寒い吉祥寺駅、サーティワンの前で二十五分も待っていた僕に。 %---%おそらく、この書き出しを読むだけで10人中6…

下流志向

「下流志向」(講談社・内田樹(たつる)) 新聞と雑誌で連続して書評を目にする。どちらの書評も好意的な評価だった。この本の新しい点は、若者が勉強しなく(働かなく)なったのは、家庭で小さいうちから消費者として自己を自立していく為に勉強(や労働)…

慧眼クアラルンプール

山崎ナオコーラ(文藝2006冬号)「責任、という考え方は、「この世に必要な私」を信じる自分の、幻想によるものかもしれない。」という一文が心に残る。低俗な例で情けないが、いつまでも残業している人は会社に必要とされている自分という幻想に逃げ込んで…

ナショナリズムという迷宮

佐藤優の「ナショナリズムという迷宮」を読んでいたら、’思想’について面白い記述があった。 佐藤>当たり前だと思っていること「思想」で、ふだん私たちが思想、思想と口にしているのは「対抗思想」です。 思想とは気づきにくいもの、気づくには「思想」に対…

本の読み方〜スローリーディングの実践

さすがに作家の目線で書かれた読書本はすばらしい。 カフカの「橋」の解釈などは目からウロコだった。これからは以下のことに気をつけていこう。 ・速い仕事は信用できない。 ・○○です。しかし、×× ・内容説明+感想 ・職業とアイデンティティ本の読み方 ス…