生物と無生物のあいだ(福岡伸一、講談社現代新書)

平易な文章で、それでいて科学の本質とアカデミズムの世界の最前線の雰囲気を説明してくれる。生物とは何かというテーマに沿って、分子生物学の黎明期のダイナミズムも伝わってくる。話の流れがすばらしいので、一気に読み上げてしまった。

新しい着眼点からの新たな発見の喜びは「象の時間・ねずみの時間」を思い出した。

著者の結論として、生物とは自己複製を行うものという定義だけでは不十分で、そこに動的な平衡が存在する事が無生物との一番の違いということのようだ。
動的平衡によって、私は以前の私とは異なるが、以前の私と同じという事が成り立つ。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)