赤ちゃんポスト

熊本の慈恵病院で「赤ちゃんポスト」の設置申請が許可された。
何らかの理由で乳児を育てられない人が匿名で子供を置いてく制度が日本で始めて運用される。現実に年間50人から100人の棄児が存在することから、赤ちゃんポストの設置は現実の後追いである必要悪と認める事はできる。
棄児の理由によっては、匿名であることが必要なのかもしれないが、捨てられた子が将来自分自身の出生について知りたいと思ったときに、そのルーツが分からないことによる自我の揺らぎは想像に難くない。

せめて、ポストに置き去りにするのではなく、病院の関係者に手渡しにするということが生まれてきた子供に最後に出来る捨てる親の務めなのではないだろうか。

赤ちゃんポストによって救われる命は必ず出てくるだろう。しかし、救われた命の将来を考えると、現在の制度が必ずしも十分ではない。今後を見守っていきたい。