どくとるマンボウ

心の師である北杜夫の新刊がでた。
思えば中学生のころに読んだ「どくとるマンボウ航海記」が僕の読書の原体験になる。
今思えば、軽妙なエッセーというところだが、あの当時には世界を回る自由な雰囲気と、ヤブ医者まがいのいい加減さと、意外なところに顔を出す博識さと、とにかく大人の世界を垣間見た気がしたものだ。

北杜夫躁うつ病に表れるような振幅の広さと、物事を斜に構えて受けるところなどあの当時はかなり影響されたものだ。
純文学への入り口も「夜と霧の隅で」だった。(そういえば、芥川賞もこれで受賞している)

学生のころ友人に「航海記」を貸したら、影響を受けてるのがわかったよといわれ驚いたのを憶えている。さすがに大学生のころには北杜夫も一通り読み終えていたので、しばらく遠ざかっていたので意外だった。やはり、多感な頃の影響は大きいのだろう。

最近は娘の斉藤由香も有名で、さすがにあの父親だと子供も鍛えられるんだなと思った。


どくとるマンボウ航海記 (中公文庫)

どくとるマンボウ航海記 (中公文庫)

どくとるマンボウ回想記

どくとるマンボウ回想記